LETTER PRESS
活版印刷 はお世話になっている、活版印刷のつるぎ堂さんへお邪魔しました。印刷や活字の歴史を辿ると、やはり始まりは中国で、最初の木版印刷もそうでした。日本で最古のものは8世紀のもので法隆寺に保管されています。 活字も組版による印刷は11世紀に始まり、日本には13世紀に活字の技術が伝わり、江戸時代の初期にかけて印刷物が増加しました。 1445年にドイツのヨハネス・グーテンベルクが活版印刷術を発明したと言われています。もっぱら活版印刷による書籍は聖書で、ルネサンスの三大発明の一つと言われている活版印刷はキリスト教へ大きな影響と変化を与えました。 宗教だけでなく、科学の発展にも大きな貢献をしました。伝えるということがより迅速に正確にされることによって大きく革命的なことが起こり、今わたしたちがいるんですね。 その革命的な大発明が日本に伝わったのは江戸時代。1856年に長崎奉行所の西役所でオランダの器械を使ったのが最初でした。 現代の日本では活版印刷は廃れてしまいましたが、最近、多田さんのように活版印刷の技術を使って活動されている若い方が増えそれを好む人も増


IROE
色絵 先週は江戸時代の植物画についてお話しましたが、今週は江戸時代の色絵という焼き物について。今、出光美術館で開催されている展示を観に行ってきました。 色絵とはそのころ花開いたカラフルな焼き物のこと。狭義では釉薬をかけて焼いたあとに、色絵の具で文様を描き、錦釜と言われる小型の釜で各色に応じた温度で焼き上げたもののと。 日本には桃山時代に中国から日本の茶人に向けて輸出された色絵磁気が、日本の色絵の元になったと考えられています。その後、17世紀から九州の肥前釜で古九谷、柿右衛門、鍋島、古伊万里が、そして同時に京焼でも色絵が作られました。 佐賀の鍋島藩で作られた器、鍋島は、将軍家への贈り物として使われました。季節の移ろいを大切にし、五節句としてそれを祝う繊細さがまさに器に現れています。季節に心を寄せる、その慶びを分かち合う。そこには美しく描かれた季節の花々や鳥たちがいます。 次に古九谷。古九谷は小袖という今の着物の元になったもの、を参考にした大胆な構図が目を引きます。流行に敏感でその斬新ないデザインと古九谷らしい色彩が本当に美しい。特に写真にある瓜の図


Natural History
江戸時代の博物誌 17世紀から19世紀にかけて、日本とオランダの文化交流は、今日の植物学にとって、とても深いつながりです。 わたしは日本の植物画が大好きです。繊細なのに、とても躍動的でダイナミックな構図。色の美しさ以外にも写実的を超えたエネルギーを感じます。 6世紀に中国から本草書(薬学書)が伝来してから、1000年もの間、中国と日本の動植物は同じだろうと思われていました。 江戸時代初期にかけて、やっと外国との違いに気づいたこともあり、日本産のものが多く取り上げられました。 室町時代までは動植物に関して書く人は、医師や本草家だけでしたが、江戸時代では様々な職業の人が関心を持ち議論し、より広がりを見せました。 江戸時代初期は、中国から伝わったものの版刻、刊行が主でしたが、徐々に日本独自の百科図鑑や園芸など趣味の分野の刊行が登場します。 ”草木写生春秋之巻” 狩野重賢画(1657〜99)もそのうちの一つです。江戸時代前半は、椿、桜、梅、ツツジなどの樹木が人気でした。二代目将軍、徳川秀忠が椿を好んだのが、園芸が盛んになるきっかけの一つでした。当時すでに


ZOJOJI
増上寺 今週は増上寺を紹介します。 増上寺は東京でも最大級の大きさを持つお寺の一つで、先日記事にした東京タワーのすぐ近く。 増上寺は浄土宗の七大本山の一つで、長い歴史があり1393年に千代田区の平河区周辺に建てられたのが最初で、その後1598年に今の港区芝に移転して以来、徳川家とともに発展してきました。安土桃山時代徳川家康が関東の地を納めるようになって間もなく、徳川家の菩提寺として選ばれました。 当時は3000人もの修行僧がいたそうです。 浄土宗については増上寺飲んホームページより ↓ 浄土宗の開祖は法然上人です。
長承2(1133)年、美作国(現在の岡山県)に押領使・漆間時国(うるまのときくに)の子として生まれました。
9歳の時に父を殺された法然は、その遺言によって出家し、比叡山に登ります。
そして、承安5(1175)年、43歳で「浄土宗」を開きました。 浄土宗は、"救いは念仏を称えることで得られる"という「専修念仏(せんじゅねんぶつ)」の教えを中心としていました。
ただひたすらに念仏を称えることで、いつでも、どこでも、誰もが平等に阿弥


TOKYO TOWER
東京タワー 2020年に迫った東京オリンピック、 たくさんの国々から、たくさんの方々が訪れることでしょう。そう思い、私なりに東京の素敵な場所をご紹介できたらな〜とこのセクションを始めました。 観光としての東京ではなくて、ここに住んでいる私たちが大好きな、心地よい時間が過ごせる場所を載せていきたいと思っています。 今回は私の大好きな東京タワー。私の住む港区にあり、子供の頃から東京タワーを見て育ちました。そして、もちろん長年東京のシンボルでもあります。 東京タワーが建設されたのは昭和32年から33年。私の父はこの建設中の東京タワーを見て育ちました。 日本の高度成長期で、たくさんの素晴らしいものが、この時期に多くの研究者や設計者、アーティストによって、今の日本の誇りを作り上げられた時代でもあります。 ご存知の通り、東京タワーの高さは333メートル。今はスカイツリーにはかないませんがこの美しいフォルムは私の中ではずっと一番です。もちろん昼間の東京タワーも好きですが、夜のライトアップもまた美しいです。特に土曜日の夜8時から10時がオススメです。 東京タワー

NAGEIRE
投げ入れという世界をご紹介したくて。 成城にある猪股庭園で年に2度ほど展示される投げ入れのお花の世界。 いけばなとは違うそのこころに触れて、いつも穏やかさを取り戻します。 投げ入れはこころに留まった花を摘み、そしてその花をそっと水に放つという自然の流れの中で花を生けていく世界。それはただ花であるだけでなく、その花の背景までも汲み取るということ。 そこにはほんの少しだけ、人の手の入るの余地があるだけ。 投げ入れの反対はというなら、それは立花。立花とはいけばなの原型で神に捧げるための花。それが近代、いけばなへと進化したのです。 投げ入れはありのままの自然を尊重します。 虫に食われた葉や、嵐や風に傷ついたものたちの命を感じ、そのあるがままのかたちを愛する。 そんな投げ入れの世界を楽しんでいただけたら嬉しいです。 華人 染谷康子 すべての花たちは山や草原で彼女自身が摘んできたもので、ほとんどの花器は彼女の作品です。 ......................................................................

