BONSAI
盆栽の歴史 今週は、大宮盆栽美術館へ行ってきました。1300年も遡ることのできる長い歴史の中で、日本でどのように愛され続けてきたのか、まずは盆栽の歴史を学んでみようと思います。 盆栽の起源は古代の中国だと考えられています。およそ1300年前の王子のお墓の内部にある壁画に描かれた従者が、石のようなものに植物が植えてあるものを持っています。(本の表紙の絵)もうすでに小さなものに植物を植えて、愛でるという文化があったのですね。 日本で一番古く盆栽が描かれているものは、700年前の鎌倉時代以降の絵巻物です。盆栽自体は平安時代に中国から伝わっていて、貴族や武士の階級の人たちの趣味として愛されていたようです。 室町時代になると、将軍家や僧侶の間で大変流行していたそう。盆山と呼ばれ、石を中心に山水墨を表現する造形物であると、当時のポルトガル語の辞書にも記されています。 以前、江戸時代の植物誌について記事を書きましたが、江戸時代には、本草学という薬草研究が盛んになり、多くの植物画が残されていて、その中に盆栽について書かれたものもあります。 当時、鉢物が人気があり


GREEN HOUSE
温室 凍える寒さの2月。今週は新宿御苑の温室へ行ってきました。そろそろ、私の好きなジェイド・バインが咲いている頃。まだ、つぼみが多かったけれど、大好きなジェイド・バインに久しぶりに会うことができました。 日本名は翡翠カズラ。この美しい色には秘密があって、ジェイド・バインの花粉媒介者であるコウモリが好きな色なのです。長い時間をかけてコウモリを誘引するためにできた植物の知恵が生んだ色なのだそう。 フィリピン諸島のごく限られた熱帯雨林にしか自生していないつる性の植物。自生地では絶滅が危惧されているそうです。 地球上には174万種の生物が生息、生育しています。わたしたちヒトもそのうちの一種。わたしたちの知らない生物は10倍から100倍の種が存在しているなんて驚きです。 皆さんもご存知の通り、生物の多様性はわたしたち人間の人為的影響によって急速に失われています。現在起こっている絶滅の状況は、かつての大量絶滅に匹敵するほどなのだそう。。。 日本の野生生物も四分の一(7000種のうち1700種)が絶滅の危機にさらされています。もちろん、食物網を通じてだけでなく


Osechi
御節 あけましておめでとうございます。 皆様はどんなお正月を過ごされましたか? 今回はおせち料理のことを。 もともと、季節の変わり目の節に、神にお供物をして、宴を開くという宮中行事の中での節句料理というお料理でした。お正月のお料理だけを節句料理というようになり、次第に庶民の中にも広まり、五穀豊穣や子孫繁栄などの願いをこ込めました。 前回、年神様をお迎えするためのお飾りのお話をしましたが、来てくださった神様は3日間おうちに滞在されると言われています。その滞在されている間は囲炉裏を使ってはいけないという決まりがあったそうで、そのために保存のきくお料理を作るようになりました。 こうやって日本の伝統文化を勉強してみると、信心深く、丁寧に物事を考え、それを美しく形として作り上げ、大切に振る舞うということがよくわかります。 おせち料理に使われる素材ひとつひとつにも、もちろん意味と願いがあります。 例えば、数の子は子孫繁栄。海老は長寿。黒豆は健康。紅白なますは平和。田作りは五穀豊穣。などなど。お重に美しく盛り付けられたおせち料理は、世界の中でも美しいお料理の一

